9月入学問題|8月生まれはどうなる?何月生まれから何月生まれまでが来年小学生?年子は同学年になる可能性が高くなるって本当?

新型コロナウイルスの流行により、2020年の4月に通常通り学校を始めることができない状態となった日本。そこで政府は、緊急事態宣言が発令されていた間に通常の授業が受けられず、遅れた分の内容を取り戻すため「9月入学」を導入するという方針を打ち出しました。

これにより、4月から8月までの授業内容の遅れは回避されると思われましたが、同時に懸念されたのが「何月生まれからが対象となるのか」「8月生まれはどうなるのか」「年子の場合は?」などのさまざまな疑問です。

今回は、「9月入学問題」がいったいどのような施策なのか、現在どのような話になっているのかなどをまとめてみました。ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。



9月入学問題|8月生まれはどうなる?

現在「一斉移行案」と「段階的移行案」の2つが検討されている「9月入学問題」。いずれにしても、制度移行後は8月生まれの子どもたちがその学年の最も若い子どもたちになります。

「一斉移行案」とした場合は1年間、「段階的移行案」とした場合は5年間の「移行期間」が設けられることとなりますが、その後は9月2日から翌年の9月1日生まれまでが同学年となります。そのため、8月生まれは現在同い年の9月生まれの子より1学年上、ということになります。

現在4月2日から翌年の4月1日までが同学年としているのは、「満〇歳」という数え方によるものですが、これがそのまま9月に当てはまる形となります。「早生まれ」とも呼ばれる1月~3月生まれの子たちも、今度からは1月~8月生まれの子を指す言葉になる可能性も。

これにより、2020年時点で「新小学1年生」となる子が、通常よりも多くなる計算になります。これによる弊害は次の見出しでご紹介していきましょう。

▼まだまだ混乱中の現在、問題を決定するべきではないとの意見も。




9月入学問題|何月生まれから何月生まれまでが来年小学生となる?

「一斉移行案」と「段階的移行案」で異なる学年分け。それぞれに問題点も指摘されていたりと、まだまだ先行きが不安な状態が続いています。

一斉移行案

まずは「一斉移行案」が施行された場合。

9月入学が現実になると、2021年に小学校に入学する子たちは、2014年4月2日生まれから2015年の9月1日生まれの子どもたちです。今後9月入学を一般化するにあたり、どうしても1年だけは帳尻を合わせなくてはなりません。そのため、この年だけは通常の1.4倍の人数を入学させる必要が出てきます。

そのため、この年に対応する教員が通常よりもかなり必要となり、文部科学省の案によれば全国で約2万8,000人不足するという計算になります。

そして、2015年4月~8月生まれの子どもたちは、通常であれば2021年に「保育園」「幼稚園」などの年長さんに当たる時期。ここを飛ばして、年中さんから小学校への飛び級となるため、保護者をはじめ不安の声も多くみられます。

2014年4月生まれと、2015年8月生まれの子どもでは、長くて17か月の差が生まれることになります。成長途中の子どもたちにとって、この差はかなり大きいもの。保護者の心配も当然のことと言えますね。

▼その不安を反映してか、賛成と反対がかなり拮抗しています。

段階的移行案

次に、「段階的移行案」となった場合。

こちらは5年にわたって通常とは異なる学年編成が行われることになります。
・1年目…2014年4月2日生まれ~2015年5月1日生まれまでの13か月
・2年目…2015年5月2日生まれ~2016年6月1日生まれまでの13か月
・3年目…2016年6月2日生まれ~2017年7月1日生まれまでの13か月
・4年目…2017年7月2日生まれ~2018年8月1日生まれまでの13か月
・5年目…2018年8月2日生まれ~2019年9月1日生まれまでの13か月

そして、2019年9月2日生まれからは通常通り、2020年9月1日生まれまでの12か月が1学年として数えられていきます。

こちらの案では、教員不足や1学年の中で生まれる差もさほど大きくならないため、「一斉移行案」よりも現実的と言われています。しかし5年間にわたって慢性的な「待機児童」の問題が生まれることになり、その数は46万8,000人に及ぶ計算になると苅谷剛彦・英オックスフォード大教授らの研究チームが発表しています。

また、1年ごとに教育システムを変更する必要が出てくるため、教員をはじめとする各教育関係者の負担が大きくなることも懸念されています。

どちらの案が施行されたとしても、文部科学省によれば、9月入学を現実とした場合の家庭の費用負担額は総額で2兆5,000億円に及ぶとの情報も。これらを受け、小学校入学を控える保護者たちの「9月入学」への支持率は低迷してしまっています。

該当年の子どもたちが卒業が遅くなることにより、数年間「卒業する人数=就職する人数」が減る場合も考えられます。その結果、一時的に人員不足となる職業も…。医療現場など、欠員が致命的となる職へどのような対応をしていくのかも注目しておきたいポイントとなりそうです。

▼小学6年生をのばす考えなどの意見もあり、ぜひ検討していただきたいものです。




9月入学問題|年子は同学年になる可能性が高くなるって本当?

この考え方から、現在年子として育ててきたはずが、この17か月に当てはまると「同学年」となってしまう場合も。入学・卒業・入試などが今後すべて同じ年になっていくため、その年の費用負担も2倍になってしまいます。

人生設計が大きく変わるだけでなく、子どもにとっても環境が変わり、ストレスとなってしまわないか心配ですね。

▼兄弟として育ってきた子たちが、急に同学年になってしまうことへの不安も。


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まとめ

▼はっきりしない政府の方針にいらだちを覚える人も。

いかがでしたか?
2020年5月末、政府・与党は「9月入学」に対する方針を見送りしています。しかし学習の遅れを「夏休み返上」「土曜日返上」で取り戻そうという動きも見られ、子どもへの負担が問題視されています。

実際に影響を被るのは全国の子どもたちであることは間違いありません。どのような案が成立するにせよ、保護者や子どもへの負担をできるだけ軽減できる施策が提案されることを願いたいものです。

今後の情報に注意しながら、引き続き新型コロナウイルスへの危機管理を怠らないようにしていきましょう。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。